飛龍伝 2010ラストプリンセス2010-02-22

ラストプリンセス

検索してみると、それは1990年であることが分かった。
富田靖子主演の飛龍伝。チケットはとれなかった。
富田靖子を好きとは言え、何時間も電話をかけ続けるほどの情熱はなかった。

当時、セゾン劇場と呼ばれていたそこにはジーンズシートといって、1Fの前方両端を当日券で格安提供するありがたい制度があった。
私はそれ目当てに、始発とは言わないまでも、朝早くに劇場に向かった。しかし、そこには既に長蛇の列がうねっていた。
私には始発、あるいは前日から並ぶほどの情熱はなかった。

暗闇の中、スポットライトを浴びた一人の女性がしなやかな手を凛と突き上げて登場する。
それは、草食系男子の憧れ。ジャンヌダルク。闇の中のまたたく光。母性が生む、何をも恐れず、省みることのない尊厳。

そんなヒロインはその後、牧瀬里穂、石田ひかり、内田有紀、広末涼子と続いたようだが、観劇の機会は訪れなかった。
そして、今回、ラストプリンセス。イープラスのメールが目にとまり、ついにチケットゲット。

ヒロイン役の黒木メイサを知らなかったのだけれど、それでも、なんでも、飛龍伝。
つかこうへいの本も好きだし、筧利夫の「新・幕末純情伝」にも大感激したこともあった私は、ルーベンスの絵を見に行くネロのように?とは言い過ぎだけれど、かな~りの期待を膨らませていた。

それでも、今回のラストプリンセス。
「ん~」と思うところもあったけれど、満足した。

この「ん~」と思ってしまうところが、おそらく、サブタイトルの意味することなんだろうな。
それにしても、富田靖子と筧利夫の飛龍伝は観られないものだろうか。検索して出てくる記事をみてますます観たくなった。